1930年4月広島市で生まれ、物心付いたのは九州、久留米市。久留米市荘島尋常小学校2年終了後、転校して広島市皆実尋常小学校3年生になり翌年に再度転校して袋町尋常小学校4年生になり卒業して、昭和18年広島高等師範学校付属中学校へ入学した。大東亞戦争（敗戦後、太平洋戦争と呼ばれている）状態は日本に不利になり中学校生も学業を中断して学徒動員の名のもとに働く事になった。2年生2学期秋から祇園三菱工場で飛行機エンジン製造の部品製作の手伝いでターレット旋盤工になっ て働いた。


　　駆け出しの旋盤工でお役には立てなかった。工場疎開する為の可部町山間への作業で材木運びをする毎日になって、8月6日の原子爆弾投下を可部町の集合場所農家の庭先で迎えた。音は記憶にないが教練で身に付いた結果で地面に伏せた状態で熱風が吹き去った事を記憶している。南の空から色が変わる雲が沸き上り次第に空全体が灰色に変わり太陽も隠れて日蝕状態の様子になった。引率の先生は来られず電車も止まり10時過ぎ三々五々広島へ徒歩で戻った。4里?の道を歩いて横川まで辿り着いたが市内へは火の海で入れず 止む無く祇園の工場へ引き返してる途中で黒い雨の驟雨でびしょ濡れになった。同日建物疎開で土橋へ出動した同じ祇園工場へ学徒動員されている崇徳中学3年生の我々がゴリラという渾名をつけた方、衣服の黒い部分は焼けて無くなり皮膚が剥げてぶら下がるひどい 状態、この人に出会った。後日、私がカトリック信徒になって知った、被爆して酷い重症状態で長束修道院の神父様の介護を受けて一命を取り留めカトリック神父になられた私より1級下の崇徳中学出身の故 長谷川 儀 神父（２０１２年９月 広島日赤原爆病院で８２歳で帰天）にお聞きしたら、彼は呉の方で亡くなったと聞きました。翌日の8月7日は私たち付属中学３年生が建物疎開で土橋へ出動する事になってまし た。７日に原爆投下がされてましたら私は生きてはおりません。
　　2021年10月になって故 長谷川 儀神父様が生前、女子パウロ会から2010年5月に”八月
六日の朝ぼくは十四歳だった”の題名で本を出されていた事を知ってAmazon通販から入手し
て読ませて頂いた。神父様の被爆体験を詳しく知った。臨終洗礼を受けて奇跡的な回復をされ
結果、神父の道を選ばれた事を知った。


　　8月6日の夜、祇園工場から眺めた広島の空が真っ赤に燃えている状態を忘れ得ません。翌朝徒歩で祇園から広島へ戻りました。 横川橋上で力尽きて横たわる人、焼け跡に残っているコンクリート製防火用水槽の中で死んでいる人、五右衛門風呂（鉄製品、祇園にはこの製品を作る工場があった）内で死んでいる人、十日市を過ぎ相生橋まで来て橋手前の家の入口と思われる処、現在は川に沿った道路になってる所に大きな焼死体、子供と思われる小さな焼死体を見ました。橋上には軍馬が、傍には乗っていたと思える人が、また、 先頃まであった市民球場傍には黒焦げの電車、中の黒焦げの焼死体が目に焼き付きました。日赤迄戻ると傍の貯金局前の電柱の柱上トランスは火を噴いて燃えておりました。文理大と付属小学校、入口の兵器庫を残して高等師範学校と付属中学校は焼け落ちてました。生物学教室の焼け跡基礎の中に4級先輩の方の焼死体を見ました。


　　御幸橋を渡り御幸通りを戻って宇品町御幸通4丁目の自宅へ戻りました。窓枠は木切れになりガラスは割れ、天井は吹き上げられ、屋根瓦はずり、酷い状態でした。道路上に水道の水が出てましたので水で全身を洗いました。下痢と紫斑が出てきて八月九日と記 憶していたが、正しくは八月八日、福山市奥の父の里（駅家町、近田）へ避難しました。到着したときは夜で真っ暗でしたが福山市が一発の照明弾投下で空襲をされている状態が見えました。市の周りへ焼夷弾を初めに落とし中を縦横十文字に爆弾を投下するという皆殺しの戦法が見られました。

　　同年８月15日、日本は無条件降伏してポッダム宣言を受諾して戦争は敗戦で終わった。ラジオでの天皇陛下の玉音放送は雑音が酷くて聞き取り困難であったが、どうも戦争が終わった事は理解できた。


　　同年秋、学校は焼けて無くなり生徒は西条?の旧陸軍兵舎に集められておりました。牛の糞掃除と芋ほりの毎日で、その状態の中で喋るのも困難な状態の口内炎を発症しました。後年、東海村原発事故で放射線障害が口内炎を起こす事を知った。よくぞ生き延びたと思います。


　　中学4年生でラジオ作成に取りつかれ同級生3名のラジオ少年の一人になった。将来は工学部へ進学してと今なら電子工学をと希 望するのでしょうが工学部進学を両親から反対されました。1年遅れて医科歯科進学コースへ進学しました。2年間で終了し医学部受験資格を持った時点で再度工学部をと願ったのですが受け入れられず、諦めて結局4年遅れて医学部へ入学して4年間で卒業しイン ターンを1年間して4月の国家試験を受験して合格して医師免許状を頂きましたが使い物にならないと感じた。


　　将来何科を専門とする医師になるべきか？外科医ですと外科医の叔父から使えるのが40歳止まりと聞いていたし、さりとて産婦人科医になると人工妊娠中絶の問題があり、結局、経験を重ねて習得するしか方法がない皮膚科を選び、日本大学皮膚科学三浦修教授教室へ入局 して皮膚科医としての修練を開始した。外来の勤務から病棟担当医になっていた時、口唇癌の患者さんが入院されてラジューム放射線 治療を手術室で行わなければならなくなり、私は被爆しているので代わりの方にお願い出来ないか教授にお願いしたが聞き届けて頂けなかった。被爆体験を経験した者でないと放射線の恐ろしさを理解出来ないようである。福島の原発事故の恐ろしさも一般の人達には理解出来ていない。チエルノブイリと同じく故郷を捨てざるを得ない人達が出ている。又、事故は起きないと過信して相変わらず原子力発電所の稼働を止めようとしない国と電力会社。困ったものだ！　戦争も同じで戦争を経験しないと戦争で物事解決できない事も理解出来ない。その惨状も理解出来ないようだ。喉もとすぐれば暑さを忘れるの例えどおりで歴史は繰り返そうとしているようだ。悲しい事である。憲法改正をしようとする人たちが存在するが、戦争体験者ではない。 絶対に改正してはいけないと思う。広島、長崎の原子爆弾の惨禍、東京大空襲の惨禍、近くでは福山の焼夷弾による空襲の惨状、忘れてはいけない！


　　入局約8年後に入って教授のお世話で都立台東病院皮膚科医長になって勤務した。２年後に退職して帰郷。父の産婦人科医院の後を引き継いで皮膚科医として働いた。50歳の初め、原爆手帳を所持しているので年1回の健康診断を受けていたら白血球数が1万を表示するようになった。同級生の中には被爆後数か月で死亡した人、大学へ入学して数年で死亡した人もいるので覚悟をしたが、何とか生き永らえている。癌の発症率も優位の差があるので覚悟はしている。


　　68歳で電子顕微鏡像について勉強してる時内容をすぐ忘れる、また患者さんの名前が出てこないで病名が出てくるという現象で 記憶力低下を痛感した。物忘れが始まった。相当の年齢まで専門医として働けると予想していた見込みが狂い、恩師 三浦教授が言われていた”君たちはプ ロにならなくてはいけない”の言葉を思い起こし、プロのレベ ル維持が困難になったと考えて無医村では無い場所なので医師から足を洗った。


　　中学4年生からの趣味のラジオつくりはアマチュア無線に発展して、医科歯科進学コース時代に無線従事者免許に挑戦して ＪＡ１ＡＭＧの局免許を獲得して開局した。１０Ｗ少々のＡＭ電波でカリフォルニアのＷ６ＡＭとの交信ができた事を忘れ得ない。医学部専門課程に入学して解剖学が始まり全力 を挙げて解剖学暗記に時間を取られて無線の時間余裕皆無となり廃局せざるを得なかっ た。広島へ戻り皮膚科医として働くようになりローカルの松本無線でＪＡ４ＯＴ岡田さんと知り合い無線への熱が再燃し、上級従事者免許獲得へとＪＡ４ＰＣ高原先生の週1回の草津病院での夜学へ通って春に受験したら、電信受信で失敗してダメ。秋に受験して今度は電信受信はばっちりでＪＨ４ＵＱＣ１００ワット局を開設してメインを20メーターバンド電信でロングパスコースでメインを遥かヨーロッパにして交信を楽しんだ。結果、多くの知人、友人がヨーロッパ、アフリカ、アジア、北米、南米、オーストラリアに亘り出来たが、一人、一人旅立たれ海外のアマチュア無線の友人はオーストラリアに1名のみになりましたが数年前からクリスマスカードが来なくなり旅立たれたと想像しております。


　　2012年秋、ローカルのJA4BJO松村さんが旅立たれた。旅立たれる前の松村さんを思う時、1歳年下の私の旅立ち準備の必要性を考えて2013年日本アマチュア無線連盟（ＪＡＲＬ）を退会しました。無線局免許も2016年12月迄有効だが再免許は 受けない予定です。同年無線設備も整理してトランシーバのみを全波受信機として残しました。


　　2016年10月3日、中国総合通信局無線部陸上課へ所持する無線局免許状と2016年12月1日付けのアマチュア無線局廃局届を提出して受理された。若い頃始めたハムともこれでお別れをした。旅立ち適齢期に入っているので身辺整理をしておくべきと考えての結果です・


　　ローカルのハムの友人からパソコンを教わり、現在は自作パソコンでホームペイジを作って楽しんでます。URLは　http://exjh4uqc.la.coocan.jp 　です。無線の代わりにSkypeで友人と話す事を楽しみにしております。


　　東京女子医専へ進学した姉がキリスト教に興味を持ち プロテスタントからカトリックへ進み、身の回りにキリスト教関係の書物があるようになって私も東京へ移転して姉について四谷のイグナチオ教会を訪ねるようになった。よく知りたいと思うようになって、28歳でデユモリン神父様に公教要理を1年かけて教わりま した。両親はキリスト教徒ではないので、一時お休み状態にした。確かに真面な教えである事は確信してました。広島へ戻って医師として働くようになり、47歳の年3月に幟町教会で野間神父様にお願いして受洗し洗礼名アウグスチヌスを頂いてカトリック信徒にな りました。


４８歳になった５月、野口司教様から堅信の秘跡を頂きました。　その後、所属教会を変わって観音町教会に移籍して現在に至ってお ります。


　　ロザリオの祈り全４玄義を毎日の日課の祈りとし、生かされているお恵みを感謝して過ごしております。生死の問題は神様のお決めになる事と思います。エネルギーは不滅で、霊魂も不滅になります。お呼びがかかる時、 慌てずに旅立てるように生きたいと願っております。足腰の筋力が弱りました。日課に少しの距離ですが歩く事にしてます。聴力も悪くなりました。2017年9月10日より補聴器を使い始めてます。味覚も塩味の感知が衰えてきました。目のほうは老人性白内障が発症しておりますが、手術を必要とするまでにはなっておりません。旅立ち適齢期に入っていると思います。自動車の運転は未だボケの検査に合格して可能ですが、周りから止める様にと言われております。買い物車になっておりますし、ミサへ与るために教会へ行く足になってますので、なかなか運転を止められません。


　　東京池袋での老人による暴走事故が報道されました。決心をしました。９０歳の年齢に約６か月後になります。絶対に自動車運転で事故を起こさないという確信はありません。子供たちから、また家内から運転を止めて欲しいと要望されて車を手放して免許を返納する事にしました。２０１９年１０月４日お世話になった愛車Fit 1300CCをHonda西店へ持参して手続きを開始しました。月曜日に区役所で印鑑証明を頂いて再度西店へ出向き書類を完成させて一先ず車の作業を終わりました。10月中に運転免許センターへ出向き免許返納手続きして完了させようと思います。５７年間の運転年数を無事終わります。しかし、運転を止める結果、ボケの進行が早まる事が言われている。この点には十分注意しておくべきと思います。

　　人身事故を起こさないで幸運で した。これからは歩きと、バスと電車とタクシーが移動手段になります。11月19日に己斐駅から横川駅へJRで移動し広電バスで県運転免許センター行きのバスへ乗って行き、免許を返納して1100円支払って運転経歴証明書を入手した。これが身分証明をする道具になりました。毎日1500歩の歩行をするように努めてます。歩けなくなったら痴呆が進み旅立ちが近くなるでしょう。この世で後、幾年の命を与えられるか予想は不能です。お役にたてた一生になりますように希望します。

　　たいそう物忘れするようになりました。何とか痴呆にならずに旅立ちたいと願ってます。
　　

　　2021年10月になって上肢と下肢に紫斑が生じ、血小板数が減少している事が判明し、
コロナワクチン注射後の2日目の検査データーなのでワクチンの副作用も疑いを抱いて日赤
原爆病院へ紹介されて手当を受ける羽目になっている。最後の旅立ちへの賜物にならなけれ
ば良いがと願っている。
　　来る3月3日に3回目のワクチン注射を受けます。血小板、現在は22万5千ありますが減少が起らぬ事を願ってます。検査結果は正常で、4月に治療を止めて様子を見てます。